浸炭/エンリッチガス/カーボンポテンシャル
”表面硬化処理及び表面処理”に分類されている用語のうち、『浸炭』、『エンリッチガス』、『カーボンポテンシャル』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”表面硬化処理及び表面処理”に分類されている用語には、以下の、『浸炭』、『エンリッチガス』、『カーボンポテンシャル』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(熱処理)
⇒【表面硬化処理及び表面処理】
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理
番号: 4104(3.26)
用語: 浸炭
定義:
オーステナイト(※1)中に固溶している状態の炭素を、表面に富化させるために鉄鋼製品にオーステナイト状態で適用される熱化学処理。
備考1.
浸炭した鋼は、焼入焼戻しを行って使用することが普通である。この処理を肌焼き(case hardening)ということもある。
備考2. 浸炭剤の種類によって固体浸炭、液体浸炭及びガス浸炭に分けられる。
対応英語(参考):
carburizing
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理
番号: 4105
用語: エンリッチガス
定義:
浸炭性雰囲気のカーボンポテンシャルを増加させるために添加する炭化水素などのガス。
対応英語(参考):
enrichied gas
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理
番号: 4106(3.22)
用語: カーボンポテンシャル
定義:
鋼を加熱する雰囲気の浸炭能力を示す用語。その温度で、そのガス雰囲気と平衡に達したときの鋼の表面の炭素濃度で表す。
備考: ISO の定義では、規定された条件下、対象の浸炭剤と平衡にある純鉄試験片表面における炭素含量。
対応英語(参考):
carbon potential
(※1)
オーステナイトとは、1種以上の元素を含むγ鉄固溶体のことです。
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