鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

遷移クリープ/定常クリープ/加速クリープ/クリープ強さ



”機械試験”の中の、”クリープ試験”に分類されている用語のうち、『遷移クリープ,第1次クリープ』、『定常クリープ,第2次クリープ』、『加速クリープ,第3次クリープ』、『クリープ強さ,クリープ強度』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”クリープ試験”に分類されている用語には、以下の、『遷移クリープ,第1次クリープ』、『定常クリープ,第2次クリープ』、『加速クリープ,第3次クリープ』、『クリープ強さ,クリープ強度』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > クリープ試験】


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > クリープ試験

番号: 1823

用語: 遷移クリープ,第1次クリープ

定義:
クリープ試験の初期において、ひずみ速度が次第に減少する段階。
図23
(※1) で時間0からt1までの領域をいう。

対応英語(参考):
transient creep,
primary creep


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > クリープ試験

番号: 1824

用語: 定常クリープ,第2次クリープ

定義:
クリープ試験において、ひずみ速度がほぼ一定になる段階。
図23 で時間t1からt2の領域をいう。

対応英語(参考):
steady state creep,
secondary creep


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > クリープ試験

番号: 1825

用語: 加速クリープ,第3次クリープ

定義:
クリープ試験の後期において、クリープ速度が増加し破断に至る段階。
図23 で時間t2からtRに至る領域をいう。

対応英語(参考):
accelerating creep,
tertiary creep


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > クリープ試験

番号: 1826

用語: クリープ強さ,クリープ強度

定義:
一定温度下で、規定した負荷時間に規定したひずみを生じる応力。
例えば1000時間に1%、0.1%又は0.01%のひずみを生じる応力が用いられる。

対応英語(参考):
creep strength


(※1)
クリープ曲線の例は以下になります。
図23 ステンレス鋼SUS304Hの引張クリープ曲線の例
ε0:瞬間ひずみ
ε1:遷移クリープ終了までのひずみ
ε2:加速クリープ開始までのひずみ
εR:破断ひずみ
εm:最小クリープ速度
t1:定常クリープの開始時間
t2:加速クリープの開始時間
tR:破断時間
図23 ステンレス鋼SUS304Hの引張クリープ曲線の例